SCS10の比重、材質、機械的強度、成分|SCS10の規格

2013年4月23日更新

SCS10はオーステナイト・フェライト系(二相系)のステンレス鋳鋼品で、SUS329J3L相当品となります。系統としては、炭素を極端に少なくし、モリブデンの増量、窒素を添加させた耐食性重視のSCS材です。硫化水素、炭酸ガス、塩化物といった通常の金属が腐食されることの多い環境・雰囲気下でも耐性をもつ鋼種として知られます。このため、油井管、化学プラントの部材、ケミカルタンカーなどの部材、用材、化学装置の構造材、部材としても使われています。

SCS10の比重

オーステナイト・フェライト系(二相系)のステンレスのため7.80前後が基準となります。

SCS10の成分

SCS10
ステンレス鋳鋼の記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo Cu その他
SCS10 0.03以下 1.50以下 1.50以下 0.040以下 0.030以下 4.50から8.50 21.00から26.00 2.50から4.00 - N:0.08から0.30

SCS10の機械的性質、熱処理温度

SCS10の引張強さ、耐力、硬度、絞り
鋳鋼の種類 熱処理条件 耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
絞り
シャルピー吸収エネルギーJ 硬度
HB
記号 焼き入れ
焼き戻し
固溶化熱処理
SCS10 S - - 1050から1150で急冷 390以上 620以上 15以上 - - 302以下

SCS(ステンレス鋳鋼品)の材料記号の一覧

JIS規格に規程のあるSCSの一覧です。

スポンサーリンク

>このページ「SCS10の比重、材質、機械的強度、成分|SCS10の規格」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集