SA2 440の成分、材質、比重、板厚、機械的性質|アルミメッキ鋼板の規格

2014年4月6日更新

SA2 440は溶融アルミニウムメッキを施した鋼板で、JISの規格材料です。耐候用(構造用)として規定されたものであり、成分値と機械的性質のうち降伏点と引張強さの双方が設定された材料である為、メッキ鋼板としては珍しい部類です。(たいていは原板の規格に依存します)成分上は、マンガン量が2.00%以下と多くなっており、引張強度と靭性を向上させる意図が伺えます。焼入れ性についてもマンガンの影響を受けます。

板厚の範囲は0.4mm以上2.5mm以下となります。めっき付着量は他の耐候グレードと同様に、120、150、200のいずれかとなります。

SA2 440の成分、材質

SA2 440の成分、材質
鉄鋼の種類 C Mn P S
SA2 440 0.25以下 2.00以下 0.200以下 0.050以下

SA2 440の機械的性質|降伏点、耐力、引張強さ、伸び

SA2 440の降伏点、耐力、引張強さ、伸び
鉄鋼の種類 降伏点、耐力(N/mm2 引張強さ(N/mm2 伸び(%)
表示厚さが0.30mm以上0.40mm未満 表示厚さが0.40mm以上0.60mm未満 表示厚さが0.60mm以上1.00mm未満 表示厚さが1.00mm以上
SA2 440 335以上 440以上 18以上 18以上 18以上

SA2 440の比重

比重は、質量計算のベースとして7.85が使われていますので、他の鋼板と同等の7.85と考えられます。

SA2 440のメッキ量、メッキ厚

SA2 440のメッキ付着量

SA2 440につけられているメッキは、メッキ層の厚さではなく、鋼板の1平方メートルあたりに付着している重量によって分類されます。

メッキの最小付着量(両面メッキの合計値)単位:g/m2
めっき付着量の表示記号 40 60 80 100 120 150 200
3点平均最小付着量 40 60 80 100 120 150 200
1点最小付着量 30 45 60 75 90 113 150

SA2 440のメッキ厚さ

アルミメッキ鋼板のめっき厚さ
めっきの付着量表示記号 40 60 80 100 120 150 200
相当めっき厚さ 0.022 0.033 0.044 0.056 0.066 0.083 0.111

SA2 440の板厚、長さ、幅などのサイズ

標準となる板厚の範囲は0.40ミリから2.5ミリとなります。板厚のバリエーションは下記となります。用途によっては、メッキ厚についても加味する必要があるかもしれません。

SA2 440の板厚

SA2 440の標準表示厚さ(単位:ミリ)
板厚(溶融アルミニウムめっき鋼板共通)
0.40
0.50
0.60
0.70
0.80
0.90
1.0
1.2
1.4
1.6
2.0
2.3

SA2 440の板のサイズ|幅と長さ

規格の上での標準寸法については下表の幅と長さになっています。

SA2 440の幅と長さ(単位:ミリ)
幅(標準幅) 長さ(標準長さ)
914 1829, 2438, 3658
1000 2000
1219 2438, 3658

SA2 440の厚さ、長さ、幅の許容差

溶融アルミニウムめっき鋼板の種類ごと、板厚ごとに許容される誤差について定められています。SA2 440の厚さ、長さ、幅の許容差についてはこちらの表となります。

「JIS G 3314 溶融アルミニウムめっき鋼板及び鋼帯」に規定のある材料記号

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