MDC1D、AZ91D(マグネシウム合金ダイカスト)の成分、機械的性質、熱伝導率、比熱、硬度

2013年8月25日更新

MDC1Dはマグネシウム合金ダイカストの一種で、JISが規定される前はASTMのAZ91Dの名で知られている材料でした。最もよく使われるマグネシウム合金ダイカストとなります。現在でもASTMでの呼称の方が一般的となります。

耐食性に弱いとされるマグネシウム合金の中で、耐食性向上をはかったタイプで、機械的性質についてはMDC1B(AZ91B)と同等となります。量産に向いた製法でもあるため、コンピュータ部品、自動車部品、OA機器などの汎用部品の多くとして使われています。

AZ91Dは、重量比強度、剛性が鉄より優れた素材でもあります。アルミ合金と比較しても、30%以上比重が小さくなりますので、その分軽く、また寸法安定性が優れた合金でもあることから光学部品、電子部品などの精密部品にも使われます。なお、溶接には向きません。

MDC1D、AZ91Dの成分、組成

MDC1D、AZ91Dの成分、組成
マグネシウム合金鋳物 化学成分(%)
Mg Al Zn Mn Si Cu Ni Fe その他
MDC1D、AZ91DB 残部 8.3から9.7 0.35から1.0 0.15から0.50 0.10以下 0.030以下 0.002以下 0.005以下 0.01以下

MDC1D、AZ91Dの機械的性質|引張強さ、耐力、伸び、硬度

参考値として以下のパラメータが存在します。熱処理は、F、つまり鋳造したままの状態の場合の値です。

MDC1D、AZ91Dの機械的性質|引張強さ、耐力、伸び、硬度
マグネシウム合金ダイカストの種類 引張試験 硬度
ブリネル硬さ
HBW
引張強さ
N/mm2
耐力
N/mm2
伸び
MDC1D 200から260 140から170 1から9 65から85

MDC1D、AZ91Dの熱伝導率、熱膨張係数、弾性係数、鍛造温度、比熱、比重、密度

ダイカスト製法によるマグネシウム合金であるMDC1D、AZ91Dの熱による影響や比重などを詳細に見ていくと以下の通りとなります。AZ91Bと基本的なパラメータは同等となります。

MDC1D、AZ91Dの熱的特性、電気特定、弾性係数など
マグネシウム合金の種類 MDC1D、AZ91D
液相線温度(℃) 595
固相線温度(℃) 470
凝固温度範囲(℃) 125
溶融潜熱(kJ/kg・K) 373
比熱(kJ/kg・K)(室温) 1.05
熱伝導率(W/m・K)(20℃、砂型) 51.2
熱膨張係数(μm/m・K)(20℃〜100℃) 26
比重、密度(g/cm3)(20℃) 1.81
縦弾性係数(kN/mm2)(20℃) 45
横弾性係数(kN/mm2)(20℃) 17
鍛造温度(℃) 625から700

「JIS H 5303 マグネシウム合金ダイカスト」に規定のある材料記号

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