A7N01とは|JIS規格材の特徴と物性

2010年12月4日 2024年2月24日更新

A7N01とはアルミ合金のJIS規格材のうち、溶接構造用合金で強度とともに耐食性にも優れた特徴を持つ材料です。いわゆるAl-Zn-Mgを主要元素とする「三元合金」と呼ばれるアルミです。

強度面では、7000系のもう一つのタイプであるAl-Zn-Mg-Cu系合金に比べるとやや劣りますが、溶接性はこちらのほうが優れています。また溶接部の熱した部分が自然時効により元の母材に近い強度にまで戻ることでも知られます。なお、このA7N01は新幹線の車両に使われている材料でもあります。軽くて強い、いわゆる比強度に優れているため、溶接が必要な構造部材や機械部品にも使われることがあります。

A7N01の成分

7000番台の番号が付いているアルミ合金には、Al-Zn-Mg-Cu系のものと、Al-Zn-Mg系があります。前者のほうが強度に優れ、後者は溶接性が良好です。

A7N01(アルミニウム)の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A7N01 0.30以下 0.35以下 0.20以下 0.20から0.7 1.0から2.0 0.30以下 4.0から5.0 V: 0.10以下、Zr: 0.25以下 0.20以下 0.05以下 0.15以下 残部

A7N01の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ)

A7N01の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
7N01 T4 365 225 16 - 95 - - 73
7N01 T5 350 300 - 15 100 185 130 73
7N01 T6 370 300 15 - 100 195 130 73

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