A6061とは|JIS規格材の特徴と物性

2010年12月4日 2024年2月24日更新

A6061とはJIS規格に規定されているアルミ合金のひとつで、耐食性が良好なことから、ボルトやリベット接合の構造用材として使われる材料です。溶接継手強度には劣りますが、T6処理を施すことで耐力値をかなり高い値まで持っていくことができます。耐力としては245N/mm2以上の強度まで上がります。これはSS400に匹敵する強度です。用途しては、船舶、車両、陸上構造物などに用いられます。

A6061の成分

6000番台の番号が付いているアルミ合金は、添加元素としてシリコンとマグネシウムを加えているAl-Mg-Si系の合金です。

A6061(アルミニウム)の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A6061 0.40から0.8 0.7以下 0.15から0.40 0.15以下 0.8から1.2 0.04から0.35 0.25以下 - 0.15以下 0.05以下 0.15以下 残部

A6061の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ)

O材、T4材、T6材の強度について下表に比較したものを記載します。

A6061の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
A6061 O 125 55 25 30 30 85 65 70
A6061 T4, T451 245 150 22 25 65 170 100 70
A6061 T6, T651 315 280 12 17 95 210 100 70
A6061 O 合わせ板 120 50 25 - - 75 - 70
A6061 T4, T451 合わせ板 230 135 22 - - 155 - 70
A6061 T6, T651 合わせ板 295 260 12 - - 190 - 70

AA規格、ISO規格、EN規格、ASTMでの相当材、類似材料

A6061Pの他規格での相当材としては下表のものがあります。

A6061の相当材
規格名称 材料記号
AA 6061
ASTM 6061
EN EN AW-6061
ISO AlMg1SiCu

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