真空ポンプの種類と真空度の関係

2012年4月7日更新

真空ポンプは成膜をする際には必須の真空装置です。というのも、ナノ単位の薄膜を生成するためのチャンバー内は、真空蒸着の場合、高い真空度が要求されるからです。

よい薄膜をつくるためには、よい真空を作り出す必要があります。気相法の中でも、CVDのように高い真空度を要求されない成膜手法もありますが、高い光学特性を持つ光学部品を量産する必要がある場合は、やはり蒸着がよく使われます。

装置内のチャンバーを「真空」にするためには、真空ポンプを使って内部の気体を排出する必要がありますが、内部に滞留する空気から一気に真空にすることは出来ません。

真空引きの際は、通常2工程以上、「あらびき排気系」と「高真空排気系」に分けて装置内の真空を作っていきます。

あらびき排気系では、その名の通り、あらびきポンプを使って空気の圧力(大気圧)を下げていきます。これが十分に下がったら、今度は高真空ポンプを用いる高真空排気を行うことになります。これにより成膜を行うのに必要な圧力まで残留ガスを排気します。

高真空排気系は、ある程度の圧力まで下がらないと作動させることができません。また、成膜中も作動させ続け、「真空度」を維持することが求められます。

あらびきポンプと高真空ポンプにはそれぞれいくつか種類があり、特徴が異なります。重要なのは真空度にどう影響するかという点になりますが、それぞれ一長一短ありますので、どのポンプ同士を組み合わせて真空排気系を設計するかは悩みどころです。

あらびきポンプの種類

真空ポンプの種類 作動する圧力の範囲(Pa)
油回転ポンプ 大気圧(105Pa)から10-1Pa
ルーツポンプ 103Paから10-1Pa
ドライポンプ 大気圧(105Pa)から1Pa

高真空ポンプの種類

真空ポンプの種類 作動する圧力の範囲(Pa)
拡散ポンプ 1Paから10-6Pa
クライオポンプ 1Paから10-9Pa
ターボ分子ポンプ 1Paから10-10Pa
スパッタイオンポンプ 10-3Paから10-8Pa

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