CVD材料のメーカー一覧

2013年5月2日更新

CVDとは、化学反応によって物体の表層に薄膜をつける技術で、真空のチャンバー内に、ガス化したCVD材料を送り込むことで実現させている技術の一つです。物理的に材料を分子化して薄膜に変えていくPVDとは違い、化学反応によって薄膜をつくっていきます。

PVDに比べると薄膜がさらに薄く、膜厚の制御も非常に高い精度で行うことができる点や、微細で複雑形状の部品やパーツにも製膜可能で、こうしたものの大量生産にも向くことと、膜の純度も高くなるなどの点から半導体分野や工具コーティングの分野を中心に使われている成膜技術です。

CVD材料はボンベやタンクなどに入った状態で納入されますが、多くが危険物や劇物、毒物に相当するため、こうしたものの取り扱いには資格が必要です。絶縁膜用途のTEOSをはじめとする材料がCVD材料ではよく知られますが、金属膜をつくるための材料もあります。PVD材料は焼結技術やセラミックス技術に長けたメーカーが製造するケースが多いですが、CVD材料のほうはケミカル品の製造開発能力に長けたメーカーが多く見受けられます。

高純度化学
半導体デバイス用に現在最も大量に用いられているCVD材料であるTEOSのパイオニア。TEOSのほか、TMOP、TMB、TEOA等をはじめ、様々な種類のCVD材料を生産。
東レダウコーニング
同社の手がけるCVD材料「プリカーサー」は、PECVDで成膜する多用途で、高性能なCVD材料。ほか、Z3MS、Z4MS、ZTOMCATSとZ2DMなども扱い、提携先であるエア・プロダクト社から提供。
ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ
原子層堆積法(Atomic Layer Deposition:ALD)や化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)に対応する様々なCVD材料を提供する。
セントラル硝子
国内ガラス大手メーカーの一つだが、メタル配線形成に用いられる六フッ化タングステン(WF6)の生産能力は世界トップクラス。低誘電率層間絶縁膜用のシリコン系ガスも製品化しており、SiF4、SiH(CH3)3(トリメチルシラン)、Si(CH3)4(テトラメチルシラン)などをラインナップに持つ。
アデカ
高・強誘電材料、電極材料、配線材料等で多くのオリジナル製品を開発、製造販売する。絶縁膜、半導体膜用途のTEOS【Si(OC2H5)4】、TMB【B(OCH3)3】、TEB【B(OC2H5)3】、TMP【P(OCH3)3】、TMOP【PO(OCH3)3】、TEOP【PO(OC2H5)3】の他、Al(MMP)3、TMA、TBTEMTなどの新規材料の豊富なラインナップを持つ。
エアーリキッド
ALOHAブランドでCVD/ALD用成膜液体材料を展開。
川口液化ケミカル
薄膜の製法に用いるCVD薄膜と原料ガスを取り扱う。絶縁膜、半導体膜、金属膜用など豊富な種類を扱う。

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