アルミクラッド材とは|アルミクラッドの構造と製法

2016年3月1日更新

アルミクラッドサッシなどの名称で、サッシの木部をアルミで覆う形のものやアルミクラッド樹脂サッシのように樹脂材とアルミ自体を組み合わせて気密性や断熱性を高めたタイプのサッシが住宅業界で使われています。アルミクラッドは、材料の世界で使われる用語の場合、異種の金属を原子レベルでの「接合」によってあわせたものであり、これらとは異なるものです。材料レベルでの話の場合、アルミクラッドはアルミ自体を何かの金属と組み合わせたもの、ということになります。

クラッド材は、異なる金属をくっつけて作られた材料です。母材となる金属をサンドイッチのように異種金属(合材)で挟み込んで、その上下からロールなどで強い圧力をかけて圧延します。さらにその後、熱処理をします。このときに、金属と金属とが原子間接合されるまでになり、クラッド材となります。

アルミニウムと他の金属とを圧延接合させて作られたものが、アルミクラッド材となります。一般的には、ステンレスや軟鋼とアルミと組み合わせたものや、銅やチタンと組み合わせたものがあります。母材と合材との組み合わせと、何枚の合材ではさむかによっていくつかのパターンがあります。

なお、この接合には接着剤などを使ったものではなく、非常に強く結合される(原子間接合)ため、一般に考えられている以上にはがれにくいです。

基本的に異なる金属を接合させたクラッド材のメリットは、ひとつの種類の金属だけでは得られない性質を得ることができる点です。

市況価格の異なる金属、たとえば高価な金属と安価な金属を組み合わせて、材料コストの低減をはかったり、熱膨張係数や熱伝導率、強度が違う材料を組み合わせて単体の金属では得られない性能を持たせるといった使われ方をされます。

クラッド材は断面が層のようになりますが、二枚の金属板を接合したものから、母材を上下2枚の合材で挟んだ3層構造になっているダブルレイ、あるいはさらに合材をはさんだ5層構造のものまであります。

ただあくまで異なる金属同士を接合させたものであるため、合金のようにまったく新しい金属になっているわけではない点に留意が必要です。異なる金属をそれぞれ別個のものとして性能を発揮させたいような場合、あるいは性質の違いを利用するといった場合やコストが気になる際には有力な材料候補のひとつといえます。

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