切り屑から判る材質について

2011年1月9日更新

切削加工においては切り屑の形状というのはイメージがつきやすいですが、研磨や研削といった加工ではなかなかワークから削り取られた屑にまで目が行かないことが多いかと思います。

研削といっても、光沢を出すような研磨工程以外では加工物と砥石との間で起きている現象は切削加工に通じるものがありますので、両者は実際のところ共通項のほうが多いといえます。

切りくずの形状パターン

切り屑は、加工中に切削工具や砥石にまとわり付くと加工しづらく、速やかに除去されていくのが望ましいのですが、この形状にもいくつかのパターンがあることが知られています。

むしれ型の切り屑

アルミや銅などの軟らかい材質のものでは、切り屑はむしれ型といわれるような、材料の表面が押しつぶされ盛り上がった部分から切り離されて生成されます。当然仕上げ面はよくありません。

流線形の切り屑

軟鋼など比較的やわらかいものを高速で切削や研削すると出てくる流れ型の切り屑は、加工中に工具のすくい面を流れるように排出されていく理想的な状態を作り出し、面粗さも良好に仕上がります。

せん断型の切り屑

せん断型といわれる粉状の切り屑は、ワークが硬くて脆い材質、例えばガラスやセラミックス、石材、超硬合金などでも見られます。切り屑が連続してつながっておらず、力がかかると断続的に切り屑が粉状になってワークから切り離されていきます。一般には切削速度を下げてすくい角を小さくするとこの切り屑に近くなります。面粗さはあまりよくはありませんが、他のむしれ型や亀裂型よりは良い仕上がりとなります。

亀裂型の切り屑

亀裂型は鋳鉄などでも見られる切り屑で、刃先が加工対象に切り込んでいくより先に、亀裂が入って切り屑がワークから剥がれていくもので、面粗さは最も悪くなります。引っ張りとせん断の力に差があまりない材料でこの現象が見られると言われます。

切削加工では、この切り屑は切削速度、工具刃先、すくい角の大きさによって決まりますが、これは研削についても言うことができます。すなわち、回転速度、送り、切り込み深さ、砥粒の形状と突き出し高さ・材質、すくい角を作り出す「ボンド」が複雑に絡み合って加工が進みます。面粗さがうまく出なかったり、加工が思うように進まない材料に取り組んでいる場合、この切り屑を採取して観察してみると意外なヒントが見つかるかもしれません。

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