SiC研磨にはどんな砥石が向いていますか

2010年8月14日更新

SiC(炭化ケイ素)は、近年ウエハやパワーデバイスとしての活用が期待され、研究開発がすすめられている素材の一つですが、元来砥粒そのものに使われるような硬い素材のため、研磨や研削にはほとんどの場合、ダイヤモンド砥粒を用いた砥石が使われます。インゴットとして引き上げられたSiCの結晶は、スライシングやバックグラインド、ダイシングなど実際のウエハになり部品となるまでには数々の研磨工程を経ますが、そのほとんどでダイヤモンドホイールなどが用いられています。

切りくずが流線形をしている粘く軟らかい金属などの延性材料と比べ、切りくずは粉のようになるガラスや超硬合金などの素材に近いとされます。ダイヤモンドを用いるとはいえ、素材が硬いため砥粒にかかる負荷も高く、切れ味を重視した仕様のほうが向いていると言えます。バックグラインディングをはじめとする平面研磨などでは連続加工を行うことが多いため、目詰まりのたびにドレッシングを行うなどはしづらく、レジンやビトボンドとの相性が良いようです。また、デバイスや半導体関係の用途では精度も高いものが求められ、ほとんどのケースでは各工程ごとに専用の機械で加工されます。

ダイシングの工程ではメタルの一種である電鋳ボンドが多用されています。また大型のインゴット切断にはバンドソーなどの張力を利用した場所を取らない切断機や、ワイヤーソーを用いた切断も行われているようです。

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バックグラインディング(バックグラインド)
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