研削砥石の粒度 | 粗粒と微粉

2010年11月20日更新

「粒度」について規定した規格は、砥石の種類ごとに違いますが、ここでは一般砥粒を用いた「研削砥石(研削といし)」についての粒度規格を紹介します。同じ研削盤で使うものであっても、ダイヤモンドやCBNを使った砥石になると、砥粒サイズの規格が異なるので注意が必要です。

なお、JIS規格では「JIS R 6001 研削といし用研磨材の粒度」にこの規定があります。これに対応する国際規格としては、ISOに下記のものがあります。パート1とパート2に分かれており、前者はF4からF220までの粒度について、後者はF230からF1200について規定しています。多くのJIS規格が国際規格にあわせたものになりつつあるように、この研削砥石の粒度も例外ではなく、一部を除き、ISOに対応したものになっています。

  • ISO 8486-1 : 1996 Bonded abrasives-Determination and designation of grain size distribution Part 1 : Macrogrits F4 to F220(固定砥粒−粒度分布の測定と表示の方法 パート1 マクログリットF4からF220まで):粗粒
  • ISO 8486-2 : 1996 Bonded abrasives-Determination and designation of grain size distribution Part 1 : Microgrits F230 to F1200(固定砥粒−粒度分布の測定と表示の方法 パート2 ミクログリットF230からF1200まで):微粉

研削砥石に使う研磨材の粒度は、分級(サイズをふるい分ける方法)によっても違いが出てきます。まず、F4からF220までの「粗粒」といわれるクラスの粒度では「ふるい」を使って分級します。230番以降の粒度は「微粉」というクラスに入りますが、この中でも「一般研磨用微粉」と「精密研磨用微粉」とに分かれています。この微粉では、サイズの選別方法として、「光透過沈降法」と「沈降試験方法」の二つが決められており、どちらを採用したのかで、サイズが少し異なります。

研削砥石の研磨材粒度
粒度の分類 粒度の範囲
粗粒 F4からF220まで
微粉 一般研磨用微粉 F230からF1200まで
精密研磨用微粉 #240から#8000まで

F4からF220までは5段階の篩(ふるい)を使って研磨材の大きさを振り分けていきます。左から順番に、ふるいの中に残っていてもよい研磨材の量が決めてあり、1段、2段、3段と進むにつれて残ってもよい量の割合が減っていきます。最終5段目では、「最大で3%まで通過してもよい」ふるい目の大きさが決められています。

粗粒の粒度分布
粒度 100%通過しなければならない試験用ふるい(1段) 一定量までとどまってもよい試験用ふるいとその量(2段) 一定量以上とどまらなければならない試験用ふるいとその量(3段) 二つのふるいにとどまったものを合わせて一定量以上にならなければならないそれぞれの試験用ふるいとその量(3段/4段) 最大3%まで通過してもよい試験用ふるい(5段)
mm μm mm μm % mm μm % mm μm % mm μm
F4 8.00 - 5.60 - 20 4.75 - 40 4.75/
4.00
- 70 3.35 -
F5 6.70 - 4.75 - 20 4.00 - 40 4.00/
3.35
- 70 2.80 -
F6 5.60 - 4.00 - 20 3.35 - 40 3.35/
2.80
- 70 2.36 -
F7 4.75 - 3.35 - 20 2.80 - 40 2.80/
2.36
- 70 2.00 -
F8 4.00 - 2.80 - 20 2.36 - 45 2.36/
2.00
- 70 1.70 -
F10 3.35 - 2.36 - 20 2.00 - 45 2.00/
1.70
- 70 1.40 -
F12 2.80 - 2.00 - 20 1.70 - 45 1.70/
1.40
- 70 1.18 -
F14 2.36 - 1.70 - 20 1.40 - 45 1.40/
1.18
- 70 1.00 -
F16 2.00 - 1.40 - 20 1.18 - 45 1.18/
1.00
- 70 - 850
F20 1.70 - 1.18 - 20 1.00 - 45 1.00/
-
-/
850
70 - 710
F22 1.40 - 1.00 - 20 - 850 45 - 850/
710
70 - 600
F24 1.18 - - 850 25 - 710 45 - 710/
600
65 - 500
F30 1.00 - - 710 25 - 600 45 - 600/
500
65 - 425
F36 - 850 - 600 25 - 500 45 - 500/
425
65 - 355
F40 - 710 - 500 30 - 425 40 - 425/
355
65 - 300
F46 - 600 - 425 30 - 355 40 - 355/
300
65 - 250
F54 - 500 - 355 30 - 300 40 - 300/
250
65 - 212
F60 - 425 - 300 30 - 250 40 - 250/
212
65 - 180
F70 - 355 - 250 25 - 212 40 - 212/
180
65 - 150
F80 - 300 - 212 25 - 180 40 - 180/
150
65 - 125
F90 - 250 - 180 20 - 150 40 - 150/
125
65 - 106
F100 - 212 - 150 20 - 125 40 - 125/
106
65 - 75
F120 - 180 - 125 20 - 106 40 - 106/
90
65 - 63
F150 - 150 - 106 15 - 75 40 - 75/
63
65 - 45
F180 - 125 - 90 15 - 63 40 - 63/
53
65 - -
F220 - 106 - 75 15 - 53 40 - 53/
45
60 - -

一般研磨用微粉の粒度分布(光透過沈降法による)

累積高さ50%(d-50値)とあるのは、メディアン径(メジアン)とも言われますが、これは粒の大きなものと小さなものとを並べていったときに、双方が等量となる境目の径を表したものです。「平均粒子径」と言われることもあります。

一般研磨用微粉の粒度分布
単位:μm
粒度 累積高さ3%点の粒子径(ds-3値) 累積高さ50%点の粒子径(ds-50値) 累積高さ94%点の粒子径(ds-94値)
F230 82以下 53.0±3.0 34以上
F240 70以下 44.5±2.0 28以上
F280 59以下 36.5±1.5 22以上
F320 49以下 29.2±1.5 16.5以上
F360 40以下 22.8±1.5 12以上
F400 32以下 17.3±1.0 8以上
F500 25以下 12.8±1.0 5以上
F600 19以下 9.3±1.0 3以上
F800 14以下 6.5±1.0 2以上
F1000 10以下 4.5±0.8 1以上
F1200 7以下 3.0±0.5 1以上

F1200のみ、累積高さ94%の部分が累積高さ80%点の粒子径となります。

一般研磨用微粉の粒度分布(沈降試験法による)

一般研磨用微粉の粒度分布
単位:μm
粒度 累積高さ3%点の粒子径(ds-3値) 累積高さ50%点の粒子径(ds-50値) 累積高さ95%点の粒子径(ds-95値)
F230 77以下 55.7±3.0 38以上
F240 68以下 47.5±2.0 32以上
F280 60以下 39.9±1.5 25以上
F320 52以下 32.8±1.5 19以上
F360 46以下 26.7±1.5 14以上
F400 39以下 21.4±1.0 10以上
F500 34以下 17.1±1.0 7以上
F600 30以下 13.7±1.0 4.6以上
F800 28以下 11.0±1.0 3.5以上
F1000 23以下 9.1±0.8 2.4以上
F1200 20以下 7.6±0.5 2.4以上

F1200のみ、累積高さ95%の部分が累積高さ80%点の粒子径となります。

精密研磨用微粉の粒度分布(沈降試験方法による)

同じ微粉であっても、一般研磨用と精密研磨用とでは粒度の範囲が異なり、表記方法もFではなく、#(シャープ)を使います。なお、沈降試験方法による場合、計測できる粒度の限界は3000番までとなります。

粒度 最大粒子径(ds-0値) 累積高さ3%点の粒子径(ds-3値) 累積高さ50%点の粒子径(ds-50値) 累積高さ94%点の粒子径(ds-94値)
#240 127以下 90以下 60.0±4.0 48以上
#280 112以下 79以下 52.0±3.0 41以上
#320 98以下 71以下 46.0±2.5 35以上
#360 86以下 64以下 40.0±2.0 30以上
#400 75以下 56以下 34.0±2.0 25以上
#500 65以下 48以下 28.0±2.0 20以上
#600 57以下 43以下 24.0±1.5 17以上
#700 50以下 39以下 21.0±1.3 14以上
#800 46以下 35以下 18.0±1.0 12以上
#1000 42以下 32以下 15.5±1.0 9.5以上
#1200 39以下 28以下 13.0±1.0 7.8以上
#1500 36以下 24以下 10.5±1.0 6.0以上
#2000 33以下 21以下 8.5±0.7 4.7以上
#2500 30以下 18以下 7.0±0.7 3.6以上
#3000 28以下 16以下 5.7±0.5 2.8以上

精密研磨用微粉の粒度分布(電気抵抗試験方法による)

この方法を用いた場合、粒度は240から8000までのものに対応できます。

粒度 最大粒子径(ds-0値) 累積高さ3%点の粒子径(ds-3値) 累積高さ50%点の粒子径(ds-50値) 累積高さ94%点の粒子径(ds-94値)
#240 127以下 103以下 57.0±3.0 40以上
#280 112以下 87以下 48.0±3.0 33以上
#320 98以下 74以下 40.0±2.5 27以上
#360 86以下 66以下 35.0±2.0 23以上
#400 75以下 58以下 30.0±2.0 20以上
#500 63以下 50以下 25.0±2.0 16以上
#600 53以下 43以下 20.0±1.5 13以上
#700 45以下 37以下 17.0±1.3 11以上
#800 38以下 31以下 14.0±1.0 9.0以上
#1000 32以下 27以下 11.5±1.0 7.0以上
#1200 27以下 23以下 9.5±0.8 5.5以上
#1500 23以下 20以下 8.0±0.6 4.5以上
#2000 19以下 17以下 6.7±0.6 4.0以上
#2500 16以下 14以下 5.5±0.5 3.0以上
#3000 13以下 11以下 4.0±0.5 2.0以上
#4000 11以下 8.0以下 3.0±0.4 1.3以上
#6000 8.0以下 5.0以下 2.0±0.4 0.8以上
#8000 6.0以下 3.5以下 1.2±0.3 0.6以上

#8000のみ累積高さ94%の部分の値は、累積高さ75%点の粒子径となっています。

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