R面取りとは

2021年10月10日更新

R面とは曲率のついた丸まった面のことで、R面取りとはそのように角を丸める加工と同じ意味です。RはRadiusの略で、R10、R0.04などと表記されます。R面の場合は、曲率を円弧で表しており、数字はその中心部分がどこにあるのかを示しています。例えばR10ならば、カーブがつきはじめる部分から10mm内側に入った部分を中心に円弧をかいたカーブということになります。

例えば、R3を図で示すと下図のようになります。

R面

加工内容によっては一つの角に複数の異なるR面を持つものも珍しくありません。ダイヤモンド工具などで板材の角にR面を付ける場合は、砥石部分(チップ部分)にあらかじめ曲率のついたもので研削するという方法もあります。こうした丸みを帯びた面取りはブルノーズと呼ばれることもあります。

プロファイル加工等に用いるプロファイル用のダイヤモンドホイールの先端には、加工対象の形にあわせて先端部にR0.07、R0.04などの精密なR加工が施されています。これを使ってワークを加工することで、加工対象側にもきれいにこのR面が転写されるという仕組みです。

R面取りには、コーナーの状態に応じて、角部のRである角Rと隅部のRである隅Rを使い分けて表現されることがあります。具体的には、下図のように凸状の角を丸める加工と、凹状の角を丸める加工があるということになります。

隅部と角部の違い

R面取りの目的は、主として以下となります。

  • 怪我の防止(安全対策)
  • 破損や傷の防止(先端で傷をつけないようにする)
  • 強度低下の防止(応力集中の防止)
  • 組付けをしやすくする
  • 隅Rなどは普通に加工するとできてしまうのでそのまま指定してある

面取のまったくなされていない角部をピン角と呼んだりしますが、こうなると刃物のように作用するため、意図的にそうした設計にしていない限り、基本的にはR面取りやC面取り、糸面取りなどで鋭い状態の角は落としておくことが一般的です。

同じ面取でも、R面、C面でコストも変わります。隅部のR面は比較的コストがかかりにくく、加工しやすいですが、角部のR面はC面取りに比べると加工しづらい内容となりコスト高となります。

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