英語でのjob description(職務記述書)の書き方|ジョブディスクリプションの例とテンプレート

2014年9月5日更新
ジョブディスクリプションの例とテンプレート

ジョブディスクリプションの目的

job descriptionとは日本語では職務明細書や職務記述書と訳されたりもしますが、日本にはこれに相当するものがない企業がほとんどです。一部、人事考課の評価基準等を定めたものに似た文書を運用している会社もありますが、ほとんどの場合、英語圏とは使われ方が違います。米国やその文化の影響下にある国々では、job description(ジョブ・ディスクリプション)は雇用や業務範囲の決定、業務の進め方、評価においても密接に関わる非常に重要な書面となります。

ここでは職務内容と仕事の範囲が定められ、多くは雇用契約の際の附属資料としても用いられます。

ジョブディスクリプションの持つ意味

また日本では仕事の範囲が曖昧なことが多く、たとえば上から業務命令があれば臨機応変に動くというスタイルで、特に総合職として括られている人材は、おおよそ海外では考えられないほどさまざまな業務に関わることがあります。こうした場合でも、逐一、担当分野や仕事の範囲・責任が明示されることがないのが日本の特徴です。

一方、米国などでjob descriptionに書かれていないようなことを何の相談もなく業務命令として出せば、従業員は基本的に動きません(動く必要もない)。もちろん、依頼の仕方、業務の内容や人にもよるのですが、他の部門が行うべき様なことや、大掛かりな内容、プロジェクトのようなものをjob description抜きで指示するのはスムーズに進まない可能性が高いです。雇用したあとでこれを変更したり、追記したりするのであれば、本人を交えて話し合い、合意を得る必要があります。日本では「総合職」の名称が示すとおり、業務内容を雇用契約時には設定しておらず、上司の指示一つで動くことが一般的であり、このようなことはあまりないかと思います。

この違いは、仕事に対する考え方やキャリア形成の方法とも関係があるかと思います。日本はチームといえば、全員がジェネラリストのように、相互に同じ仕事内容でサポート可能なことが多いですが、米国のチームといえば、スペシャリストの集合体に近いものがあります。個々の担当が何らかの専門職であり、自分の「担当範囲」が明確になっています。もちろん、職場によってはこれが曖昧になっていたり、ひとりで複数分野をまたいで仕事をしているケースもあります。

雇用についての考え方も日本とは根本的に異なる部分があります。ジョブ・ディスクリプションはその仕事におけるポストの内容を示しており、空きポストがあればそこに適合する人材を求めるのが米国式であるとするならば、日本式は人を採用してから適合するポストを模索していきます。もちろん、中途採用などであらかじめ仕事内容・ポストがかなり限定されている場合もあります。しかしこの場合も職務明細書などの提示はせず、入社後は職務内容の変更にも臨機応変に対応するよう求められることが一般的です。

問題は、ジョブ・ディスクリプションという書類だけで、果たしてこれまで述べてきた業務範囲や内容を正確に記述できるかという点です。実際、ジョブディスクリプションと現実の業務内容との齟齬は現地でも問題となる点の一つで、起草段階でのジョブディスクリプションをなるべく現実の仕事内容に近づけるようブラッシュアップすることや、従業員との定期的なインタビューを通じて現実に即したものに変えていく努力が求められます。

実際の業務においては、どの仕事でも書類には出てこない隠された仕事というのが意外に多く、これらがときに重要な役割さえ果たしていることがあります。一見、職種とは関係なさそうであったり、部外者がそうした業務があることを想像できないようなものはたいていこの括りに入ります。

このため、job descriptionは一度作ったら終わり、ではなく従業員との対話を通じて更新していくことが肝要となります。

job descriptionの書き方

job descriptionへの記載事項

一般的に、job descriptionに備えておかねばならない内容としては以下のようなものがあります。基本としては、ジョブディスクリプションはポジション名(職種名)だけでなく、具体的な業務内容や役割を記述することです。また職種名は自分の会社のものが他社と同じ職種を示してしないことが多々あります。この点にも留意が必要かと思います。

  • 一言で役割を説明すると・・?
  • もっとも時間を割かれる業務は・・・?
  • 組織への貢献がもっとも高い内容は・・・?
  • 実際には重要ではあるが、見えなくなっている業務内容はないか・・?

あまり細部まで記載すると業務マニュアルのような膨大なものになってしまうため、どこまで詳細に記載するのかという問題も付きまといます。また経営方針や社内戦略等により頻繁に変わってしまう部分等については適宜更新していくしかありませんので、該当する箇所については雇用時に説明が必要となるかと思います。

ジョブディスクリプションの例

以下、ジョブディスクリプションのサンプルです。このケースでは役職なしの調達担当、購買担当(材料・原料関係)を想定したものです。

構成は、仕事のポジションであり職種となるPosition(Description)からはじまり、仕事の目的(Job purpose)、業務範囲・内容(Job duties, scope of work等)、必要なスキル・資格・技能等(Skill/Qualification)の順番になっています。

  • Position(Description)
  • Job purpose
  • Job duties
  • Skill/Qualification

実際には調達担当であれば、国内調達なのか、グローバル調達なのかも違いますし、会社によっては扱う品目ごとに部署がさらに細分化している場合もあれば、何でも扱う場合もあります。エリアごとに分けているケースもあり、そうした社内事情がわかるような記載がよいかと思います。

Position(Description): Purchasing specialist

職種:調達担当、購買担当

Job Purpose:

This Job is to purchase materials needed for manufacturing. Scope of this work includes;

Obtains requirements by verifying, preparing, and forwarding purchase orders; submits request for quotation; negotiating price; verifies receipt of items; authorizes payment.

業務目的:

製造に必要な材料を調達すること。業務は以下のものを含む。注文書の準備・確認・承認・発行、見積書依頼の発行、価格交渉、検収、支払処理

Job Duties:

業務内容:

Verifies purchase requisitions by comparing items requested to master list; clarifying unclear items; recommending alternatives.

マスターリストに基づいて購入申請書の内容を確認(すでに購入履歴のあるものかどうか)。不明な品物を明確にする。代替品の提案。

Forwards available inventory items by verifying stock; scheduling delivery.

在庫確認の上、品物を購入依頼元へ転送。配送スケジュールの確認。

Verifying request for proposal from other departments; prepares request for quotation to possible suppliers; obtain competitive quotes from multiple sources; negotiate prices.

他部署からの購入申請の確認、調達候補先への見積依頼の作成、複数の調達先から相見積もりを取得、価格交渉。

Prepares purchase orders by verifying specifications and price; obtaining recommendations from suppliers for substitute items; obtaining approval from requisitioning department.

仕様と価格を確認のうえ、注文書を作成。仕入れ先から代替品の提案を受ける、依頼部門からの承認を得る。

Collecting information for production plan; prepare and submit forecast to existing supplier.

生産計画を集約し、フォーキャスト(購入予定表)の作成と提出をサプライヤーに対して行う。

Obtains purchased items by forwarding orders to suppliers; monitoring and expediting orders.

仕入先への注文書の発行、発注した品物のフォロー。

Verifies receipt of items by comparing items received to items ordered; resolves shipments in error with suppliers.

発注した品物の検収・確認。仕入先からの誤発送等にも対応。

Authorizes payment for purchases by forwarding receiving documentation.

受領書(検収書)を発行し、支払処理を行う。

Keeps information accessible by sorting and filing documents.

(業務に使う)情報をいつでも参照できるよう、整理と書類ファイリング。

Provides purchasing planning and control information by collecting, analyzing, and summarizing data and trends.

データの収集、要約、分析、傾向の把握等により、購買計画を策定。

Credit administration of suppliers; assess credit risk of supplier and secure stable procurement.

仕入先の与信管理、仕入先の信用不安等を評価し、安定調達の確保につとめる。

Updates job knowledge by participating in educational opportunities.

社内教育・社外教育の機会を利用し、職務に必要な知識の更新

Accomplishes purchasing and organization mission by completing related results as needed.

必要に応じ、組織のミッション、購買のミッションを達成するための活動を実施。

Skills/Qualifications: Knowledge about basic chemicals, Interest toward specification and engineering, Assessment skill for supplier's quotations, Supply Management, Tracking Budget Expenses, Cost calculation, Vendor Relationships, Searching and developing new suppliers, Organization, Documentation Skills, Manufacturing Methods and Procedures, Manufacturing Quality, Basic knowledge about customs clearing and importing, Understanding English spoken or written by non-native speaker.

スキル・必要技能・必須技能:基礎化学の知識、技術・仕様等に対する興味、仕入先からの見積もりに対する査定スキル、サプライマネジメント(供給管理)、予算管理、原価管理、仕入先との関係構築、新規仕入先の探索と開拓、組織・書類作成のスキル、製造手法や手順、製品品質、通関と輸入に関する基礎知識、英語を外国語とする人たちによって書かれたり話される英語を理解できる。

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