品番と製番の違い

2014年5月6日更新

これは自動車部品業界に限らず、他の製造業でもよく使われますが、それぞれが何を意味するのかは会社によっても、その用語が使われる文脈によっても変わることがあります。このため、同じ自動車部品業界といえども、この用語については社内にてどのように使われている用語なのかよくよく確認する必要があります。

一例として紹介すると、製番は自社での「製品番号」の意味として使われることがあります。対して、品番は部品そのものの種類を示す識別番号として使われることがあります。

もっとシンプルにいえば、客先である自動車メーカーから指定されてくる部品番号は、「品番」と呼び、自社内でそれに紐付けられた番号を「製番」と呼ぶことがあります。この場合だと、同じ品番に対して、複数の異なる製番が存在することもあります。

ここでいう製番は主として量産品として流れ出す部品を社内管理上の必要性からつける番号であるため、仕向け地や客先によって番号を変えることもあります。品番は、客先品番とも呼ばれますが、主に客先とやり取りするために試作段階から用いる番号で、その部品を特定するための番号ですが、量産品として管理する必要性からつけられている番号ではないため、この番号だけで量産手配などを行うことができないことが大半です。

会社によっては自社でつけている番号を製番と呼び、客先(納入先)側でつけている番号を品番と単純に区別することもあります。いずれにせよ、品番と製番については定義が会社によって違うことを念頭におく必要があります。

いつどんな製品がどこで作られたのかを示す製造番号のことを製番と略する会社もありますが、基本的にこれらはロット番号でもあって、上記で説明した製品を示す番号とはまた異なる系統の番号です。

品番と製番の違い
品番 自動車業界では、客先となる自動車メーカー等が管理する番号で、部品の部位を示す基本番号、エンジンの種類や車種を示す車種コード番号、車種ごとのグレード区分や仕様の新旧を示す設計番号、設変(設計変更)の回数を示す番号(メジャー番号)、寸法や色などを外観面にかかわる部分を示す付属番号といった具合に、部品によってこれら複数の番号をハイフンでつなげた番号になります。関係者が番号を見れば、どういう部品なのか一目でわかる、あるいは調べることができる工夫が凝らされています。なお、品番は試作から量産に変わる過程で変わることが多いです。
製番 自動車メーカーに部品を納入する立場にあるメーカーが社内で付与・管理する番号です。製造や生産管理、営業、購買等でやり取りされる番号になり、数字のつけ方に一定のルールを設けて運用されている社内番号となります。

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