PPAPとは|PPAPの意味とレベルごとに求められる提出書類

2014年5月6日更新

PPAPとはピーパップと読み、Production Parts Approval Processの頭文字からきています。直訳すると、「生産部品承認手続」であり、一言で言えば、自動車メーカーに納入している部品や材料のサプライヤーが自動車メーカーの設計仕様・要求仕様に則って製品を製造できると言うことをメーカーに認めてもらうためのものです。この承認プロセスに要求される提出書類や提出資料の一式をPPAPと呼ぶこともあります。

これには生産能力も含みますが、主として品質に関する内容となり、量産品として自動車部品をおさめるためにはこのプロセスが求められ、特に自動車メーカーの中でも欧米拠点に対して納入するような場合は、必須と言えます。

提出資料は下表の18項目がPPAPマニュアルに記載されている内容ですが、サプライヤーによってはこれら18項目と若干異なる部分もあります。また、自動車メーカーに直接納入せず、ティア2からティア1へのPPAPとなると取引を行うメーカー間で要求レベルをあらかじめ取り決めるだけでなく、これらの項目についても若干の違いが出てきます。また、製品の種類、性状や位置付けによっても違いが出ることがあります。

PPAPは新規に量産品を納入するときだけではなく、次のようなときにも提出が求められることがあります。

  • 使用している部品や材料を変更する
  • 使用している金型やジグ類などを変える
  • 製造工程上の変更
  • 生産ライン、場所の変更
  • 設備の改造をする
  • 設備を移して別の場所で生産する
  • 部品や加工の外注先を変える
  • しばらく使用していなかった治工具を再度使い始める
  • 試験や検査の方法を変更する

基本的に、サプライヤーは一度承認された製造工程上の内容を勝手に変えることは出来ません。設変などにより、部品のごく一部分だけが変わるような場合でも、取り決められた書類・資料を提出する必要があります。

PPAPのレベル

PPAPには、レベルが設定されており、部品や変更内容ごとにどのレベルのものの提出が変わってきます。

レベル1で求められるのはPSW(部品提出保証書)と、外観承認報告書(AAR)の二つのみで最も簡易なものとなります。

レベル2は、PSWにサンプル部品、一部の裏付けデータとなります。

PPAPの標準となるレベル3では、PSWとサンプル部品、すべての裏付けデータが必要となります。

レベル4は、レベル3からサンプルを除いた形の提出レベルです。

レベル5はレベル3に加えて、客先による工程監査が現地で行われることを要求する最高度の提出要求レベルとなります。

新規品が流動し始めるほとんどのケースでは、レベル3のPPAPとなるため、サンプルの手配と連動して動くことになります(サンプルは量産工程のもの)。

PPAPにおける提出資料、提出書類の一覧
提出資料 PPAPレベル
番号 英語 日本語 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5
1 Design Record (Latest drawing) 設計文書(最新の図面ページ) - 必要 必要 必要 必要
2 Authorized Engineering Change Documents 承認された設計・技術変更文書 - 必要 必要 必要 必要
3 Cover Page, Customer Engineering Approval 表紙(顧客に設計承認をもらう箇所) 必要 必要 必要 必要 必要
4 Design Failure Mode and Effects analysis(Design FMEA) 設計FMEA(いわゆるD-FMEA) - - 必要 必要 必要
5 Process Flow Diagrams 工程フロー図(工程フローチャート) - - 必要 必要 必要
6 Process Failure Mode and Effects Analysis (process FMEA) 工程FMEA(いわゆるP-FMEA) - - 必要 必要 必要
7 Control Plan コントロールプラン(いわゆるQC工程図) - - 必要 必要 必要
8 MSA(Measurement System Analysis) 測定方法・システムの分析(検査具の検証データ) - - 必要 必要 必要
9 Dimensional Results 寸法測定結果 - 必要 必要 必要 必要
10 Material Test Results 材料性能試験結果 - - 必要 必要 必要
11 Initial Process Studies 初期工程分析(CpkやPpkにより工程能力検証したり、工程能力改善計画等) - - 必要 必要 必要
12 Qualified Laboratory Documentation 適合試験所文書(製品の分析やテストを行う機関に、ISOや国家認定による証明書の提示を顧客が求めている場合) - - 取り決めによる 取り決めによる 取り決めによる
13 Appearance Approval Report(AAR) 外観承認報告 必要 必要 必要 必要 必要
14 Sample Production Parts) 生産部品(顧客評価用の)製品サンプル - 必要 必要 - 必要
15 Master Sample 標準サンプル(マスターサンプル) - 必要 必要 - 必要
16 Checking Aids 検査補助具、検査具の検証 - - 必要 必要 必要
17 Customer-Specific Requirements 顧客固有要求事項 - 必要 必要 必要 必要
18 Part Submission Warrant(PSW) 部品提出保証書 必要 必要 必要 必要 必要
- Process Audit 工程監査 - - - - 必要

スポンサーリンク

>このページ「PPAPとは|PPAPの意味とレベルごとに求められる提出書類」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集