ML決定の意味|自動車におけるメーカーレイアウト、Maker layoutとは

2016年2月3日更新

ML決定やM/L決定とは、自動車業界で使われる場合、発注先確定のことを意味します。MLは、Maker Layoutの略称で、メーカーレイアウトと読みます。自動車メーカーから見た場合に、発注先を決めるというのは、つまり、自動車を製造する場合に必要となる各部品をどこに発注するかという決定です。自動車部品メーカーをはじめとするサプライヤーから見た場合は、受注先決定のことを意味し、コンペなどで各サプライヤー同士が競うのは、基本的に自動車メーカーからこのML決定をもらうための活動となります。

ML決定した暁には、その受注が確定した部分については量産供給のほか、自動車がモデルチェンジによって量産されなくなった後にも、補給品(サービスパーツ)といって修理や保守用の部品供給も定められた期間行うことになります。グローバル車のように広範な市場で製造販売される車種や車型にML決定されることもあれば、同じ部品でも車両単位で複数メーカーに発注を分けるケースもありますが、単価を下げるために基本的には同一部品の発注は大量に行ってよりよい価格条件を引き出したいのが車メーカーの本音です。また、昨今は複数の車型に同一の部品を使うケースも増えていることから、ML決定のためのコンペの準備が死命を制することも珍しくありません。

自動車業界におけるサプライヤーは、基本的には薄利多売となります。非常に大量の製品を販売することで、売り上げを確保できる一方、ひとつあたりの販売で得られる利益は大きくはなく、恒常的に値下げが必要なことから、常に原価低減の努力も必須となります。

自動車メーカーに対する自動車部品の見積もりというものは、他業界では類を見ないほどコスト競争がシビアで、正確かつ複雑な原価計算が必要になります。また多くの自動車メーカーが原価低減に注力している結果、構成部品の中で利益がとれる部分というのはあまり多くはなく、しかもその利益率も類推できてしまうほどに様々な価格条件がオープンになってしまっています。というのも、部品価格や材料価格の査定なども行うのが常であり、価格を下げるためであれば、自動車メーカーが大量に材料や部品などを発注し、有償で部品メーカー等へ販売するという方式もよく使われています。

専門知識を持つ購買・調達部門が存在するため、自動車メーカーへ直接納入するTier 1(ティア1)と呼ばれる部品メーカーや材料メーカーにも当然、購買部門が存在しますが、ML決定を獲得するためには、技術的な内容もさることながら、精度の高い見積もりが必要となり、これに他社との競争という要素が加わります。また、見積もりがコンペ用かどうかによっても、作成スタンスが異なってきます。

ML決定とは、つまるところノミネーションを得ることであり、海外メーカーの場合はノミネーションレターを正式に入手することで、受注獲得の正式連絡ということになります。

ただ、メーカーによってはこのML決定を正式に待っていると、金型など長期間の準備が必要な生産財が間に合わないこともあり、見込みで動くこともありますが、この段階では自動車メーカーの長期内示動向が不明なこともあり、こうした場合は、生産能力の試算などにも苦労することになります。受注ありき、という場合もありますが、大量生産が前提となり、多くは日々の納入となるため、現在生産しているものとの兼ね合いも見ていく必要があります。

一般的な流れでは、ML決定後に「試作イベントの流れ」で説明したような手順で自動車の開発から量産までのスケジュールが組まれていきます。

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